高すぎて手が出なかった株の話です。
- ファーストリテイリングが、ユニクロで何をどこで稼いでいる会社なのか
- 2026年8月期の決算と、増配(年850円)の中身
- 私が「欲しいのに手が出ない」理由と、買うならどうなったら考えるか
こんにちは、投資家ケンです。
「日本株の銘柄図鑑」シリーズ。証券コード9983、小売業(ユニクロ・GU)。保有状況:未保有です。
正直に言うと、ファストリは「欲しかったけど、高すぎて手が出なかった株」なんですよね。
理由は3つあります。資金的に余裕がないこと、いまの配当水準ではあまり旨味がないこと、そして株価が割高に感じることです。
決算が出て増配も発表されたので、決算と数字を見ながらあらためて整理してみました。
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私はいま、この会社をこう見ている
私の見方を先に書いておきます。
- 長期の期待は、まだ強いと思っています。ユニクロは世界中で店舗を増やしている最中で、まだ伸びる余地が大きいと見ています
- 値がさ株なので、日経平均への影響が大きい銘柄です。そのうえ事業はアパレルなので、半導体の市況に直接は左右されません。AI・半導体の売り買いで日経平均が大きく動く最近の相場では、ここが気になる点です
- その一方で、アパレルならではの脆さもあると考えています。流行や天候に左右されやすく、在庫も抱える商売です
手が出ない理由は、資金的に余裕がないこと、いまの配当水準ではあまり旨味がないこと、株価が割高に感じることの3つです。私の高配当株の基準(利回り3%)から見ると、利回りは1%台。PERも約40倍で、期待が先に株価へ織り込まれている印象です。「好きな会社」と「いま買う株」は別、というのが正直なところです。
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一言で言うと、どんな会社?
ユニクロとGU(ジーユー)を中心に、衣料品を企画から販売まで自社で手がける会社です。決算は8月。会社の事業は、国内ユニクロ、海外ユニクロ、GU、グローバルブランドの4つに分かれています。
何で稼いでいるか|いまの稼ぎ頭は「海外ユニクロ」
「ユニクロは日本の会社」というイメージが強いですよね。でも、数字を見ると稼ぎの重心はすでに海外にあります。世界展開が進んでいる、ということです。
| 事業(2026年8月期) | 売上収益 | 前期比 | 事業利益 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 国内ユニクロ | 1兆848億円 | +5.7% | 1,960億円 | +8.1% |
| 海外ユニクロ | 2兆4,111億円 | +26.2% | 4,398億円 | +44.1% |
| GU | 3,367億円 | +1.8% | 315億円 | +11.0% |
| グローバルブランド | 1,285億円 | -2.3% | 28億円 | +6.8% |
出典:ファーストリテイリング「2026年8月期 決算サマリー」(2026年10月8日)。事業利益はIFRSでの会社の表記です。
出典:同上の決算サマリーより作成。4事業の事業利益の合計は6,701億円で、連結の事業利益(7,184億円)とは483億円の差があります。決算短信では、連結とセグメント合計の差は「調整額」(主に各報告セグメントに帰属しない収益及び全社費用)等とされています。ただし短信のセグメント開示は営業利益ベースで、事業利益ベースの内訳までは確認できていません。
数字から分かることを整理します。
- 海外ユニクロは、売上が全体の約61%(2兆4,111億円÷3兆9,633億円)、事業利益も4事業の合計の約66%を占めます
- 国内ユニクロは、売上+5.7%・事業利益+8.1%と堅調ですが、伸びの勢いは海外のほうが大きいです
- つまり「国内で安定して稼ぐ土台」の上に、世界展開という成長エンジンが乗っている形です。私の「長期の期待」も、ここに置いています
2026年8月期の決算|増収増益で、配当は年850円に
| 項目 | 2026年8月期(実績) | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 3兆9,633億円 | +16.6% |
| 事業利益 | 7,184億円 | +30.4% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 5,425億円 | +25.3% |
出典:ファーストリテイリング「2026年8月期 決算サマリー」(2026年10月8日)。
2027年8月期の会社予想は、売上収益4兆4,500億円(+12.3%)、事業利益8,300億円(+15.5%)、当期利益5,600億円(+3.2%)です。
気になったのは、国内ユニクロの事業利益が「前年並み」と予想されていることです(決算サマリーの定性的な見通し。売上総利益率も「若干低下する見込み」とされています)。海外は2桁の増収増益見通しなので、来期も成長を引っ張るのは海外ということになります。
配当は安心して持てそうか
| 期 | 中間 | 期末 | 年間 |
|---|---|---|---|
| 2026年8月期(実績) | 320円 | 530円 | 850円(前期より350円増) |
| 2027年8月期(会社予想) | 450円 | 450円 | 900円(+50円) |
出典:同上。2027年8月期は会社予想で、確定ではありません。
増配ペースは力強いです。ただ、配当「額」が大きく増えても、株価が高いので利回りは低めです。
- 株価:73,790円(2026年10月13日終値・Yahoo!ファイナンス)
- 予想配当900円に対する利回り:約1.22%(同サイトの表示。900円÷73,790円でも同じ)
- PER(会社予想)約40倍、PBR(実績)約8.0倍(同サイトの表示。決算短信の予想EPS1,825.06円・1株当たり親会社所有者帰属持分9,274.27円から計算しても一致)
- 配当性向(連結):2026年8月期 48.1%、2027年8月期の予想 49.3%(決算短信)
3%を基準にしている私の高配当株とは、性格がまったく違います。配当を目的に買う株ではなく、「成長に期待して持つ株」だと思っています。
最低投資額は約738万円|余裕がないうえに、配当にも旨味がない
売買単位は100株なので、最低でも 73,790円×100株=約738万円(2026年10月13日終値ベース)が必要です。
この金額は、1銘柄としてはかなり大きいです。1銘柄にこれだけ置く資金的な余裕は、いまの私にはありません。無理に置けば、分散のバランスも崩れます。
そのうえ、738万円を置いた見返りの配当が、あまり大きくないんですよね。
| 試算(約738万円で100株) | 年間の配当(税引前) |
|---|---|
| ファストリ(2027年8月期予想900円×100株) | 9万円(利回り約1.22%) |
| 同じ金額を利回り3%の株に置いた場合 | 約22.1万円 |
試算:900円×100株、7,379,000円×3%(私による概算・端数は丸め)。配当予想は会社予想で確定ではありません。
同じ738万円を置いても、配当で受け取れる金額に、およそ2倍以上の差が出ます。配当を軸にしている私には、ここが大きいんですよね。
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日経平均との関係|「値がさ株」ならではの動き
日経平均は、時価総額ではなく株価をもとに計算する指数です。そのため、株価の高いファストリは、1社の値動きで指数が数百円動くことがあります。
面白いのは、ファストリの事業は衣料品で、半導体の市況に直接は左右されないことです。半導体が売られる日は日経平均が大きく動きがちですが、ファストリは別の理由で動きます。
ただ、指数全体の売り買いに引っ張られる日もあるので、「日経平均と無関係に動く株」とは言い切れないと私は見ています(これは私の見方で、データでの検証はしていません)。
弱点・リスクは何か
- アパレル特有の脆さ:流行、天候、在庫。売れ筋を外したときの影響は小さくないと考えています
- 国内の伸びしろ:国内ユニクロは事業利益が前年並みの予想です。国内での大きな成長は見込みにくく、世界展開がうまくいくかどうかが鍵になります
- 海外への依存度:成長が海外に偏っているので、海外の景気や為替の影響を受けやすくなります(影響の大きさは今回確認できていません)
- 株価の水準:PERが約40倍と高く、期待が先に織り込まれている面があります
自分なら、今、持てるか
結論は「いまは持たない。でも、ずっと気になっている」です。
- 会社の力は申し分なく、長期の期待もまだ強いと思っています
- 1銘柄に約738万円を置く資金的な余裕は、いまの私にはありません
- そのうえ、いまの配当水準(利回り約1.22%)では、あまり旨味がない
- さらに、PER約40倍という数字を見ると、期待が先に織り込まれていて割高に感じる。私の高配当株の基準とは違う世界です
どうなったら買うか。ファーストリテイリングは、日本を代表する素晴らしい企業だと思っています。ただ、どれほど良い企業でも、株価が割高であれば手は出しません。
今後、企業の成長力や競争力が維持されたまま、株価が自分の納得できる水準まで下がれば、購入を検討したいと思います。ただし、株価が下がったというだけでは買いません。「値下がり」ではなく、企業価値に対して割安になったかどうかで判断します。
具体的な購入価格は、今のところ決めていません。
次の決算で確認したい点
2027年8月期の第1四半期(2026年9〜11月期)で、海外の伸びが続いているか、国内ユニクロの利益が予想どおり「前年並み」にとどまるかを見たいと思います。
📌 まとめ
- ファストリは、売上の約6割・利益の大半を海外ユニクロが占める会社。国内は堅調だが、成長エンジンは海外
- 2026年8月期は増収増益で、年間配当は850円(+350円)。2027年8月期は900円の予想
- 株価73,790円(2026/10/13)、利回り約1.22%、PER約40倍。最低投資額は約738万円
- 値がさ株で日経平均への影響が大きい。事業は半導体市況に直接は左右されないが、アパレル特有の脆さもある
- 私は未保有。会社には期待しているけれど、資金的に余裕がなく、いまの配当水準では旨味も薄く、株価も割高に感じるので、手が出ない
買えなかった株の話は、ほかにも書いています
アドバンテストを買い逃した話 →
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参考にした情報
- ファーストリテイリング 2026年8月期 決算サマリー(2026年10月8日・ファーストリテイリングIR)
- ファーストリテイリング 2026年8月期 決算短信(ファーストリテイリングIR)
- Yahoo!ファイナンス(ファーストリテイリング、2026年10月13日時点の株価・単元株数・PER・PBR・配当利回り)
情報の確認日:2026年10月14日(株価基準日10月13日)。業績・株価は変動します。2027年8月期は会社予想です。
【免責事項】本記事は保有・購入を前提としない企業研究の記録であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断は最新の一次情報をご自身で確認のうえ行ってください。

