- 取得単価¥581の日本製鉄(5401)2,000株のうち、1,000株を¥690で売却した実録
- 通期は「上方修正」なのに、なぜ半分を利確したのか
- 「全部売り」ではなく「半分だけ」にした線引きの考え方
- 残した1,000株を、これからどう持つか
ねぇねぇ、聞いてほしいんです。今日、日本製鉄(5401)を半分だけ売りました。
2026年9月1日の朝9時5分、SBI証券の特定口座で1,000株が¥690で約定。取得単価は¥581なので、確定した利益は概算で+¥109,000(税引前)です。金額としては派手ではないですが、この売買、私にとってはけっこう考えどころが多かったので、全部書きます。
まず、売買のサマリー
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 銘柄 | 日本製鉄(5401)/東証プライム・鉄鋼 |
| もとの保有 | 2,000株(取得単価¥581) |
| 売り指値の発注 | 2026年8月19日 ¥690(その後9月17日期限へ更新・注文579) |
| 約定 | 2026年9月1日 9:05 @¥690・1,000株 |
| 売却代金 | ¥690,000 |
| 確定損益 | +¥109,000(税引前・概算 約+18.8%) |
| 売却後の保有 | 1,000株(継続保有) |
| 口座 | SBI証券 特定口座 |
ポイントは「2,000株ぜんぶ」ではなく「半分の1,000株だけ」というところです。ここに理由があります。
きっかけは第1四半期決算だった
2026年8月4日に出た2027年3月期の第1四半期決算。ここで国内の鉄鋼事業(単体)が124億円の営業赤字に転落していました。原燃料の高止まり、物流費・エネルギーコストの上昇、中東向け輸出の減少、国内の需要低迷——ざっくり言うと「本業の稼ぐ力が、いったん逆風の中にいる」という数字です。
私は基本的に「配当をもらいながら長く持つ」スタイルなので、四半期の赤字ひとつで慌てて売ることはあまりしません。でも今回は「本業のコア部分が赤字」という、ちょっと重めのサインだったので、いったん立ち止まりました。
「でも通期は上方修正してるよね?」への答え
そうなんです。ここがややこしいところで、通期の純利益予想は2,200億円から2,900億円へ上方修正されています。ふつうに見たら「業績いいじゃん」となる。私も最初はそう思いました。
でも増額分の中身を見ると、主な理由は米国子会社USスチール関連(うち600億円は米国の市況要因)と、在庫の評価差でした。つまり「日本の本業がグッと強くなったから増えた」わけではなくて、外部要因と会計上の差が押し上げている部分が大きい。
- 通期の数字(上方修正)=市況・為替・在庫評価に助けられた部分が大きい
- 四半期の数字(国内鉄鋼の赤字)=本業の足元のリアル
- 「見出しの数字」より「中身」を優先すると、いまは慎重にしておきたい局面
数字を「見出しだけ」で受け取ると判断を間違えることがあるんだな、と改めて思った決算でした。
それでも「全部は売らない」——半分にした理由
ここが今日いちばん書きたかったところです。私には、配当株を手放すときの自分ルールがあります。
| 売りを考える条件 | 日本製鉄は? |
|---|---|
| 連続して減配している | ❌ 該当せず(年間配当¥24を据え置き) |
| 配当を維持する体力に不安がある | △ 本業は逆風だが、通期は黒字予想 |
| 利回りが高配当の基準(3%前後)を大きく下回った | ❌ 該当せず(¥690で利回り約3.5%) |
減配していないし、利回りもまだ十分あります。私のルールでは「全部売り」の条件は満たしていない。でも本業の赤字転落は気になる。「売る理由」と「持ち続ける理由」が両方ある状態でした。
こういうとき、私はよく「半分」にします。全部売れば「やっぱり上がった」ときに悔しいし、全部持てば「本業の逆風が長引いた」ときにヒヤヒヤする。半分だけ利確しておけば、どっちに転んでも「半分は正解」になる。優柔不断と言われたらそれまでですが、白黒つけられない銘柄との付き合い方としては、私はこれが性に合っています。
指値の置き方——急落の日に、あえて高値圏に置いた
売り指値を出したのは8月19日。実はこの日、日経平均が2日で5%以上も下げた急落の局面でした。ふつうなら「下げてる日に売り注文?」となりますよね。
でも私は、この急落を「相場全体の連れ安であって、日本製鉄だけの新しい悪材料ではない」と整理しました。だったら慌てて安値で投げる必要はない。むしろ直近の高値圏である¥690に売り指値を置いて、「そこまで戻してきたら半分いただく」という置き方にしました。
結果、注文はすぐには刺さらず、約2週間待って9月1日に約定。狙いどおりの価格で半分を利確できました。売り急がなかったのが、今回はうまくいったパターンです(もちろん、そのまま下がっていく可能性もあったので、結果論なところはあります)。
残した1,000株は、これからどう持つか
手元に残った1,000株は、これまでどおり「配当をもらいながら持つ枠」として続けます。理由はシンプルで、
- 配当¥24は据え置きで、減配していない
- ¥690での利回りは約3.5%で、私の高配当の基準内
- 本業の赤字は「原燃料・エネルギー高」という外部要因が大きく、構造的に終わったわけではない
次に見るのは、次の四半期決算で国内鉄鋼の採算が戻ってくるか。ここが改善しないまま減配の話が出てくるようなら、そのときは残りも見直します。逆に採算が戻れば、半分売ったことを「まあ保険だったな」と笑って受け入れるつもりです。
売買の判断とは別に、会社そのものへの見方も書いておきます。
日本製鉄はUSスチールの買収を実現し、足元ではその収益貢献を背景に業績予想を上方修正しています。企業としての成長戦略は、着実に前へ進んでいると見ています。ここは素直に評価したいところです。
一方で、気になる材料も同じくらいあります。ひとつは中国を中心とした鉄鋼の供給過剰と需要低迷で、世界的に鉄鋼市況には価格下落の圧力がかかり続けています。もうひとつは、USスチールを傘下に収めたことで、米国の鉄鋼政策・関税政策・政権の方針といった政治的な要因が、業績や株価に与える影響が前より大きくなったこと。
だから私は、いまの日本製鉄を「業績が悪いから買えない」とは思っていません。むしろ業績改善の材料はある。でも鉄鋼市況と米国の政策という不確定要素が、とにかく大きい——そういう銘柄だと捉えています。
USスチール買収による成長には期待したい。ただ、中国の供給過剰による市況悪化や米国の政策変更しだいで、今後の業績を素直に見通しにくいのも事実です。いまは、強い期待を持って積極的に買いにいくよりも、この不透明さが落ち着くまでは慎重に見ておきたい。半分を利確して残り半分を持つ、という今回の距離感は、私にとってちょうどよかったのだと思います。
税金の話も正直に
+¥109,000の利益には、特定口座なので約20%の税金がかかります。手取りベースだと+¥8.7万くらい。ここは受け入れる部分ですが、利益を確定した年は年末に含み損銘柄の「損出し」で課税対象を圧縮するのとセットで考えます。利益が出たぶん、損出しで取り返せる枠も増える。この実録はまた別の記事で書きます。
まとめ
- 日本製鉄(5401)2,000株のうち1,000株を¥690で売却・確定益は概算+¥109,000(税引前・約+18.8%)
- きっかけは第1四半期での国内鉄鋼事業の赤字転落
- 通期は上方修正だが、増額の主因はUSスチール(米国市況)と在庫評価差で本業の実力強化とは言いにくい
- 減配なし・利回りも基準内なので「全部売り」はせず、半分だけ利確してリスクを軽くした
- 急落の日でも慌てず、高値圏¥690に売り指値を置いて2週間待った
- 残り1,000株は配当枠で継続保有。次の四半期で国内鉄鋼の採算を確認する
- 会社としてはUSスチール買収で成長戦略は前進。ただし中国発の鉄鋼市況悪化と米国の政策リスクが大きく、いまは積極的に買うより不透明さが落ち着くのを待ちたい
「白黒つけられない銘柄は、半分」。地味なやり方ですが、迷ったときに自分を助けてくれる考え方だと思っています。
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【免責事項】 本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。記載の数値は約定時点・執筆時点のもので、将来の成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。

