上組(9364)を2026年5月に買った理由を全部書きます。20年以上減配なし・14年連続増配・自己資本比率79%の港湾物流大手。なぜ今買ったのかを実録で。
- 上組(9364)をなぜ買ったのか——購入理由と投資仮説
- 港湾物流という事業の安定性と景気耐性
- 20年以上減配なし・14年連続増配の配当データ
- 財務データから見た高配当の持続可能性
ねぇ、港湾ってちょっとおもしろくないですか?
日本の輸出入の99%以上が海路経由なんですよ。つまり船が止まったら経済が止まる。そのインフラど真ん中にいる会社です。
2026年5月18日に上組(9364)を100株 @¥4,999で買いました。今日はその理由を全部書きます。
上組(9364)とはどんな会社か
神戸港を中心とした港湾荷役・物流の大手企業です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 創業 | 1867年(150年以上の歴史) |
| 本社 | 神戸市中央区 |
| 市場 | 東証プライム・中型株 |
| 業種 | 倉庫・運輸関連業 |
| 事業 | 港湾荷役・物流・倉庫・海外事業 |
| 特徴 | 神戸港・東京港に専用コンテナーターミナルを保有 |
| 海外拠点 | 中国・シンガポール・タイなど世界約30拠点 |
港湾荷役というのは、船から荷物を降ろして倉庫に運ぶ、またはその逆を行う仕事です。地味に見えて、これがないと国際貿易が完全に止まります。
ディフェンシブ銘柄に分類されています。景気に左右されにくい、というのが一つのポイントです。
配当の推移——20年以上減配なし
まずこれを見てください。
| 年度(3月期) | 1株配当 |
|---|---|
| 2016年 | 26円 |
| 2017年 | 28円(+記念配当2円) |
| 2018年 | 35円 |
| 2019年 | 45円 |
| 2020年 | 46円 |
| 2021年 | 50円 |
| 2022年 | 73円 |
| 2023年 | 90円 |
| 2024年 | 100円 |
| 2025年 | 130円 |
| 2026年(会社予想) | 185円 |
増配率19.6%。20年以上減配なし。14年連続増配。
2016年に26円だった配当が、2026年会社予想で185円。約7倍です。
こういう銘柄、好きなんですよね。じわじわと配当が増えていって、気がついたら取得利回りがすごいことになっている、というパターン。
財務データ
| 指標 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 配当利回り | 3.45% | 2026年1月16日時点 |
| 過去10年平均配当利回り | 2.42% | 現在は平均比で高水準 |
| 予想PER | 18.44倍 | 過去10年平均14.28倍・類似企業9.3倍 |
| PBR | 1.38倍 | — |
| 自己資本比率 | 79.0% | 財務優良水準 |
| 営業CFの連続黒字年数 | 10年超 | — |
配当利回りは過去10年平均の2.42%に対して、現在は3.45%と高水準です。増配が続いたことで利回りが上がっています。
PERは18.44倍で、過去10年平均(14.28倍)・類似企業平均(9.3倍)より高め。株価が期待先行で買われている面はあります。
自己資本比率79%は優秀です。借金に頼らず経営できている会社です。
買った理由・投資仮説
1. インフラ的な事業で景気耐性が高い
景気が悪くなっても、輸出入は完全にゼロにはなりません。特に食料・エネルギー・生活必需品の物流は止まらない。
「景気に左右されにくい」という意味では、高配当株の中でも安定感があると判断しました。
2. 財務健全性と配当継続性
自己資本比率約80%、営業CF10年以上連続黒字。配当性向は高めなので注意が必要ですが、業績が好調なうちは配当継続の根拠があります。
2025年3月期は売上高・利益ともに過去最高を更新しています。
3. 長期保有しやすいビジネスモデル
新興テクノロジー企業と違って、「港湾インフラが急に不要になる」シナリオが思いつかない。
バイオマス燃料の保管・輸送、新エネルギー物流にも参入していて、時代に合わせた展開もできています。
今の相場と購入タイミング
この記事を書いている今日(2026年6月5日)、半導体関連がきれいに売られました。ディフェンシブ銘柄はその逆で、じわっと堅調。
「そろそろセクターローテーション来るんじゃないか」——そういう空気が漂い始めています。
5月18日に上組を買ったのは、まさにこういう読みからです。AIブームで相場全体が半導体一色になっていて、それ以外の銘柄は値動きが重い。でも港湾物流という地味な業種が、半導体ブームと無関係に売られていただけで、事業の中身は何も変わっていない。
みんなが半導体に目を向けている間に、忘れられた良い銘柄を仕込んでおく——これが自分のスタイルです。
シリコンサイクルというものがあって、半導体の好況と不況は繰り返します。資金がディフェンシブに動き始める潮目に、今日の動きがなるのかどうかはわからない。でも、その時に備えてすでに持っている、というのが大事だと思っています。
正直なリスク認識
リベシティの学長も指摘していたのですが、懸念点は正直に書いておきます。
- 配当性向が高め → 業績が悪化すると減配リスクに直結する
- 成長性は高くない → 国内港湾物流は成熟産業。大きな株価上昇は期待しにくい
- 海外リスク → 世界30拠点は強みでもあるが、為替・政治リスクも増える
- 労働力不足 → 専門性の高い業界で採用難・コスト増のリスクがある
それを知った上で買っています。成長株として買っているわけじゃない。配当をもらいながら長く持つ銘柄として選びました。
買ったとき、何を期待し、何を不安に思っていたか
期待していたのは、派手な株価上昇ではなく、安定した事業を背景に利益と配当を少しずつ伸ばしてくれることです。
一方で、不安がなかったわけではありません。港湾物流は景気や貿易量の影響を受けますし、物流業界そのものにも構造変化があります。だから「財務が良くて配当が高いから安心」と単純には考えていませんでした。とくに、今後も今のペースで増配を続けられるのかという点は、買った時点から気になっていました。
その後 ―― 買い増しを検討して、見送った話
2026年9月、上組を買い増そうか検討しました。結論は「見送り」です。
一番引っかかったのは、配当の伸びと利益の伸びのバランスでした。これまで増配してきたこと自体は魅力的なのですが、利益の成長以上に配当を増やしていけば、配当性向(利益のうち配当に回す割合)は上がっていきます。さらに、直近の利益成長率がマイナスに転じていたことも気になりました。
「良い会社だから買い増す」というだけではなく、今の株価・配当・今後の利益成長を合わせて考えたとき、急いで買い増す必要はない、と判断しました。売るほど悪いとは考えていません。ただ、新規に資金を追加するなら、もう少し慎重に見たいという判断です。
いま振り返って
現時点では、買ったこと自体が間違いだったとは考えていません。一時的に含み損になったこともありますが、長期投資では、株価が一時的に下がったことだけで判断すべきではないと思っています。
大切なのは、買ったときに考えていた「安定した事業・財務の健全性・配当を受け取りながら長期保有する」という理由が崩れていないかどうかです。そこは、いまも崩れていません。
ただし、買い増しは別問題です。保有する価値があることと、今この価格でさらに買う価値があることは、同じではないと考えています。
取引記録
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 購入日 | 2026年5月18日 |
| 購入株数 | 100株 |
| 取得単価 | ¥4,999 |
| 取得総額 | ¥499,900 |
| 口座 | SBI証券 特定口座 |
まとめ
- 20年以上減配なし・14年連続増配。配当は26円→185円(会社予想)と約7倍
- 自己資本比率79%・営業CF10年超連続黒字と財務優良
- 港湾インフラというディフェンシブ事業で景気耐性が高い
- PERは平均より高めなので、割安感はない。配当目当ての長期保有向き
- 配当性向高め・成長性低め・海外リスクは正直に認識している
「港湾」って地味に聞こえるんですよね。でも日本の物流の根幹を担っている会社なので、個人的には「縁の下の力持ち」系が好きです。
一言でいえば、「地味だけれど、ポートフォリオの土台になってくれる銘柄」です。配当をもらいながら、長く持つ予定です。
売るとすれば、単純な株価の下落ではなく、事業そのものの競争力が落ちたり、利益やキャッシュフローに大きな問題が出たり、配当政策を含めて長期保有する理由が崩れたときです。株価が下がっただけなら、すぐに売るつもりはありません。
上組の詳しい財務情報・決算資料は上組公式IR情報でご確認いただけます。
> 【免責事項】 本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。

