- 私が高配当株投資を続ける理由
- 「考えすぎ」と言われ続けた私の、時間軸の話
- 投資で本当に大切なのは銘柄選びより「どの距離で見るか」かもしれない話
- 人生と投資が意外なほど似ている理由
先日、自分の人生を振り返っていて、あることに気づきました。
私は「深く考える人」なのではなく、単に時間軸が長い人なのかもしれない。
若い頃は、自分が周囲と少し違うことに違和感がありました。
なぜそんな先のことまで考えるのか。なぜそこまで心配するのか。なぜそんなに待てるのか。
しかし54歳になった今、それは性格というより、物事を見る距離の違いなのではないかと思うようになりました。
今日はそんな話です。銘柄分析は1ミリも出てきませんが、私の投資の根っこにあるものなので、聞いてもらえると嬉しいです。
昔から見ていたもの
子どもの頃、私は死が怖くて毎日のように泣いていました。
今思えば、小学生にしては少し気が早かった気もします。友達がゲームの攻略法を考えている頃に、私は人生の終わりについて考えていました。なかなか面倒な子どもです。
でも、振り返るとずっと同じだったんです。
完成した建物の100年後を想像していた
患者さんの「今の痛み」だけでなく、10年後も元気に歩ける身体を考えていた
企業の10年後、20年後を考えながら投資をしている
仕事は変わっても、見ている方向はあまり変わっていません。
私はいつも、少し先の未来を見ていたようです。
周囲とのズレ
私は昔から「考えすぎだ」と言われることがよくありました。
確かに否定はできません。
スーパーへ行けば老後の食費を考え、仕事をしていれば将来の再発予防を考え、株を買えば10年後の企業を考える。我ながら少し落ち着けと言いたくなります。
でも最近は、少し違う見方をしています。
考えすぎなのではなく、見ている時間軸が違うだけなのかもしれない。
今日の売上を見る人。今月の数字を見る人。今年の業績を見る人。
どれも大切です。ただ私は、その少し先を見ようとしているだけなのかもしれません。
投資で感じる違和感
株式市場では毎日のように「今日は上がった」「今日は下がった」という話が繰り返されています。
もちろん、それも重要な情報です。私も株価は見ます。
朝見て、昼見て、夕方見て、寝る前に見たりもします。
しかし冷静に考えると、その数時間で企業の本質はほとんど変わっていません。変わっているのは株価より、私の気分の方かもしれません。
私が株を買う理由は、明日の株価ではなく、10年後も利益を生み続けている企業を応援したいからです。
だから短期的な値動きに一喜一憂しながらも、最後は「まあ、10年後にどうなっているかだな」と考えるようにしています。
『モモ』の時間泥棒と投資
昔から、私はミヒャエル・エンデの『モモ』が好きでした。
物語には「灰色の男たち」が登場します。
彼らは人々に「時間を節約しなさい」と言いながら、本当に大切な時間を奪っていく。
子どもの頃は不思議な物語だと思っていました。でも大人になった今は、妙に現実味があります。
私たちは便利な時代に生きています。スマートフォンもSNSもあって、リアルタイムの株価も見られます。
ところが気づけば「5分だけ確認するつもりだったのに30分経っていた」なんてこともあります。私もよくやります。
だからこそ思うのです。
私はお金以上に、時間を大切にしたいのだと。
投資も同じです。毎日売買を繰り返すより、良い企業を見つけて長く持つ方が私には自然でした。短期売買を否定するつもりはありません。ただ、私には合わなかったというだけです。
時間を味方につける。それが私の投資スタイルです。
配当金の本当の価値
私が高配当株を好む理由も、ここにあります。
配当金は単なるお金ではありません。
企業が利益を積み重ね、従業員が働き、商品やサービスが社会に受け入れられた結果として生まれるものです。
言い換えれば、企業が積み重ねてきた時間の成果が、自分の元へ届いたもの。
だから私は配当金が入るたびに少し嬉しくなります。
もちろん金額も嬉しいのですが、それ以上に「この会社は今年も頑張ったんだな」という報告を受け取ったような気持ちになるのです。
含み損のときでも配当金が嬉しい理由は、たぶんそこにあります。
株価は市場が決めます。でも配当金は、その企業が生み出した価値そのものだからです。
今の選択が未来を作る
建築も。医療も。投資も。
共通していることがあります。
それは、今の選択が未来を作るということです。
- どんな建物になるかは、土台で決まります
- どんな身体になるかは、日々の積み重ねで決まります
- どんな資産になるかは、今の投資判断の積み重ねで決まります
そして、ひょっとすると人生そのものも同じなのかもしれません。
未来は突然やって来るものではなく、今日の積み重ねの延長線上にあります。
だから私は投資でも人生でも、できるだけ「未来の自分が喜びそうな選択」をしたいと思っています。
全部うまくいくわけではありません。失敗もあります。遠回りもあります。
それでも、少し先を見ながら歩くことには意味があると思っています。
投資で本当に重要なのは、銘柄選びだけではない。どんな時間軸で世界を見るか。 そこに本質があるような気がしています。
今の相場と私の感覚
ちなみに今の相場はどうかというと——どちらかの大統領様のおかげで、毎日ジェットコースターのような値動きが続いています。
さらに大型テック株のIPOも立て続けで、市場はお祭りとジェットコースターが同時開催されているような状態。正直、心が乱されやすい時期だと思います。私も乱されています。
でも、こういう時こそ「時間軸」の出番です。
今日の急騰も急落も、10年後のチャートから見れば小さなギザギザのひとつ。そう思うと、少しだけ冷静に戻れます。祭りのときほど、自分の時間軸を確認する——それが今の私の注意点です。
おわりに
私は冷静な投資家でもありませんし、優秀なアナリストでもありません。
株価が下がれば気になりますし、含み損もできれば避けたいと思っています。
ただ一つだけ意識していることがあります。
それは、少しだけ時間軸を長く持つこと。
今日うまくいかなかったことも、一年後には気にならないかもしれません。
今の含み損も、十年後には笑い話になっているかもしれません。
身体の不調も、仕事の悩みも、人間関係も、意外と時間が解決してくれることがあります。
投資も同じです。
私たちは未来を正確に予想することはできません。それでも、今日より少し良い未来を信じて行動することはできます。
投資とは、お金を増やす技術である前に、自分がどんな未来を信じるのかを問われる行為なのかもしれません。
だから私は今日も、「10年後も存在していてほしい」と思える企業を探しています。
- 「考えすぎ」は性格ではなく、見ている時間軸の違いかもしれない
- 数時間で変わるのは企業の本質ではなく、自分の気分
- 配当金は、企業が積み重ねた時間の成果が届いたもの
- 今の選択が未来を作る——建築も、身体も、資産も
そして、もしこの記事を読んでくださった方が、少しだけ先の未来を見て、少しだけ肩の力が抜けて、少しだけ心が軽くなってくれたなら。
それが私にとって、一番嬉しい配当金なのかもしれません。
【免責事項】 本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資は自己判断・自己責任で行ってください。