- 高配当株一本足だった私が、なぜ「衛星グロース枠」を新設したのか
- 枠のルール——損切り-20%は機械実行、利確は原則しない非対称設計
- 初弾に選んだカプコン・フジクラ、それぞれの「なぜ」
- 数字が悪く見えるときに、どこまで自分で確認してから買うか
正直に言うと、これは私にとって「浮気」に近い話です。
私はこれまでずっと、高配当株のガチホと再投資だけで資産を積み上げてきました。配当が出ない株、しかもボラティリティの高い成長株には、基本的に手を出してきませんでした。その私が、総資産の2%(約175万円)を「衛星グロース枠」として切り出し、無配・高ボラ上等の成長株に投じ始めました。今日はその初弾、カプコン(9697)とフジクラ(5803)への発注記録です。
なぜ今さら「グロース枠」を作ったのか
きっかけは単純な自問でした。「大きく増えた実績、振り返って何が効いていたんだっけ」。
コマツ+788%、日本特殊陶業(NISA)+742%、村田製作所+501%——過去の大きな含み益を洗い出すと、全部ガチホ由来でした。短期売買由来の大勝ちは、探してもゼロ。この時点で「じゃあスイングトレードを混ぜよう」という発想にはならず、むしろ逆の結論に至りました。ガチホの威力を、高配当株だけでなく成長株にも一部使ってみたい、と。
とはいえ、いきなり資産の大部分を成長株に振るのは、これまでの戦略と正面衝突します。だから上限を明確に区切りました。総資産の2%、金額にして約175万円。これ以上は増やさない。
衛星グロース枠のルール(非対称設計)
このお試し枠には、最初から機械的なルールを敷きました。
| ルール | 内容 |
|---|---|
| 上限 | 総資産の2%(約175万円)・これを超えて追加投資しない |
| 対象 | 配当利回りを問わない(無配可)・高ボラ許容 |
| 損切り | -20%で機械的に逆指値実行(感情で先延ばししない) |
| 利確 | 原則しない(伸びる銘柄の利益を自分で刈り取らない) |
| 想定勝率 | 5割程度(負ける前提の設計) |
ポイントは「利確は原則しない・損切りだけ機械化する」という非対称性です。負けは小さく切り、勝ちは切らずに伸ばす。当たり前のようで、感情が一番邪魔をしてくるのがここだと思っています。だからこそ、ルールを先に決めて、あとから動かさない。
初弾candidate、カプコンとフジクラを選んだ理由
初回スクリーニング(ROE15%・営業利益率10%・成長率10%・自己資本比率40%などの基準で85銘柄+グロース候補を精査)を通過した中から、枠に収まりやすい2銘柄を選びました。
カプコン(9697)|¥3,050で100株発注
高値¥4,631から-28.6%調整済み、押し目のゾーンには入っていました。ただし気になったのが、直近のEPS成長率が-38.2%・売上成長率が-0.9%という数字。これだけ見ると「成長株なのに失速?」と映ります。
ここで決算短信そのものを精査しました。結論は、通期実績は真逆。売上+15.2%・営業利益+14.5%・EPS+12.6%(130.50円)で、13期連続の営業増益。yfinanceが拾っていたマイナスの数字は、前年の大型タイトル発売期(モンハンワイルズ)との比較による反動にすぎませんでした。借入金も完済し、自己資本比率は78.8%まで改善。営業CFの一時的な落ち込みも、法人税支払いのタイミングと前年の予約金収入の反動で説明がつく一過性のものでした。
数字の見た目が悪いときほど、中身を見に行く価値がある——今回はそれを地で行くようなケースでした。
フジクラ(5803)|¥4,700で100株発注
高値¥7,933から-35.1%という、こちらの方が下げがきつい銘柄です。年初から一時2.7倍まで急騰した反動で期待が剥落したこと、2027年3月期の会社営業利益予想が市場コンセンサスを20%ほど下回ったことが主因でした。
会社側の説明は「データセンター向け光ケーブル増産に対する原材料(水素等)の供給不足リスクを保守的に織り込んだ」というもの。AIデータセンター需要そのものが崩れているわけではなく、会社ガイダンスも増益予想(予想PER17.0倍・実績PER54.3倍という大幅増益の裏付けあり)。「成長ストーリーの破綻」ではなく「期待値のリセットと供給制約による上振れ余地の圧縮」と判断し、エントリー障害なしと結論づけました。
供給制約が続く間は上方修正のカタリストが乏しく、テーマ株性格ゆえにボラティリティは大きいまま。カプコンより損切りが発動しやすいリスクは織り込み済みです。それも含めて「衛星枠だから許容できる」判断でした。
発注内容まとめ
| 銘柄 | 指値 | 株数 | 損切りライン(-20%) | 期限 | 状況 |
|---|---|---|---|---|---|
| カプコン(9697) | ¥3,050 | 100株 | ¥2,440 | 2026/8/3 | 未約定 |
| フジクラ(5803) | ¥4,700 | 100株 | ¥3,760 | — | 約定済み(2026/7/14) |
フジクラが先に約定し、100株@¥4,700で保有スタートしました。残るカプコンが約定すれば計約77.5万円、枠175万円の44%。約定したら、損切りの逆指値を必ず入れる——ここを飛ばすと、機械的ルールが「気合と根性ルール」に逆戻りしてしまうので、自分への戒めとして書いておきます(フジクラ分の逆指値は今まさに設定中です)。
正直に書く懸念点
- 無配銘柄を持つこと自体が初めての感覚:配当という「待っている間の報酬」がない状態に、自分がどう反応するか未知数です。
- -20%の含み損を実際に見たときに、ルール通り切れるか:頭で決めたルールと、実際に赤い数字を見たときの自分は別物かもしれません。ここは正直に検証していきます。
- 枠を広げたくなる誘惑:初弾がうまくいけば「もっと増やそうか」という気持ちが出てくるはずです。2%という上限を先に紙(このブログ)に書いたのは、未来の自分への牽制でもあります。
今の相場と私の感覚
今の相場、基本は強気でいいと思っているんですが、値動きの荒さはもう「そういうものだ」と受け入れています。カプコンやフジクラみたいなテーマ株・成長株は、まさにこの荒さの影響をもろに受ける側なので、衛星枠だからこそ持てる、という感覚が強いです。
為替は円安基調が続きやすくて、輸出色のあるフジクラなんかにはむしろ追い風。ただ急な円安は政府・日銀が黙っていないはずなので、そこは意識しておきたいところです。トランプ関税も、正直避けて通れないテーマですが、市場はもう織り込み始めていて、これからは「関税そのもの」より各企業がどう対応するかで差がつくフェーズに入ってきていると感じています。インフレ・賃上げは続きそうだけど、日本経済全体がいきなり崩れるシナリオは今のところメインじゃない。原油高や地政学リスクだけは油断せず見ておきたいです。
高配当株一本足だった私が、この空気の中で2%だけ成長株に足を踏み入れてみた——今のところ、悪くない実験だと思っています。
- 過去の大きな利益は全てガチホ由来だったという振り返りから、総資産2%の成長株枠を新設
- ルールは非対称——損切り-20%は機械実行、利確は原則しない
- カプコン・フジクラとも表面的な数字の悪化は決算短信の精査で「一過性」と確認してから発注
- 約定後は損切り逆指値の設定と、四半期ごとのストーリーレビューを継続する
【免責事項】 本記事は個人の投資記録であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の数値は執筆時点のものであり、正確性・完全性を保証しません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

