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投資哲学

「持ち続ける」と「買い増す」は、別の判断|増配しているのに買い増さない株の話

「持ち続ける」と「買い増す」は別の判断

📋 この記事でわかること

  • 「この株を持ち続けるか」と「この株をもう100株買うか」は、別の問いだという話
  • 増配が続いている株でも、買い増しを見送ることがある理由
  • 私が買い増しの前に確かめている3つのこと(増配ペース/配当性向/利益の向き)
  • 実例:上組(保有は継続・買い増しは見送り)とジャックス(損切り)

先日、上組(9364)という港湾物流の会社について、「もう100株、買い増すかどうか」を真剣に考えて、結局やめました。持ってはいます。これからも持つつもりです。でも「買い増し」はしない。

自分でも最初は「持つならもっと買えばいいのに、なんで?」と思ったんですが、よく考えると「持ち続ける」と「買い増す」はぜんぜん別の判断なんですよね。今日はその話です。

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「持っている理由」と「新しく買う理由」は違う

すでに持っている株には、目に見えない“貯金”がついています。含み益だったり、取得単価に対する利回り(買ったときの値段で計算した利回り。増配が続くと自然に上がっていく)だったり、これまで決算を見てきた時間だったり。

でも、新しく投じるお金には、その貯金がありません。「まっさらな数十万円を、いま、この瞬間、どこに置くのが一番いいか」という問いに、あらためて答えることになります。

だから、「持ち続ける価値」があっても、「いまの株価でわざわざ買い足す価値」があるとは限らない。この2つは、分けて考えたほうがいいと思っています。

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上組の場合:増配は続いている。でも買い増さなかった

上組は10年以上連続で増配していて、20年以上 減配していません。配当の実績だけ見れば、堂々の買い増し候補です。

それでも見送ったのは、中身を見て3つ引っかかったからでした。

  • 増配のペースが、利益の伸びを上回っている。配当性向(利益のうち配当に回す割合)は、10年前の20%台から直近は50〜60%台まで上がっていて、会社も「今後は70%が目安」としています
  • ROE(自己資本利益率)が7%台後半で、私が「効率よく稼げているか」の目安にしている8%に、ここ数年ずっとわずかに届いていません
  • 直近の利益は、前期に過去最高を更新したあと、次期は反動で減益の見通し

「持つ」には十分な会社です。財務は硬いし、港湾物流というインフラの土台にいます。でも「いまの株価で買い足す」ほどの魅力はない。もし追加するなら、株価がもう一段下がって、利回りが5%近くまで戻ってからだと考えています。上組の詳しい話はこちら。

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ジャックスの場合:増配の裏で、中身が痩せていた

逆に、増配が続いていたのに手放した会社もあります。ジャックス(8584)です。

増配は途切れていなかったのに、ある期の決算で最終利益が45.7%の減益、そのうえ中期経営計画の目標も取り下げになりました。「増配が続いている」という見た目と、「稼ぐ力」の実態が、大きくズレていた。私はそこで損切りしました。授業料は約19,500円です。そのときの記録。

この経験で学んだのは、増配は“結果”であって、“約束”ではないということでした。会社が無理をして配当を出し続けているだけ、という状態もありえます。

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私が買い増しの前に確かめる3つのこと

見るところ ○(買い増し検討) ×(持つだけに留める)
① 増配ペース vs 利益(EPS)の伸び おおむね同じペース 配当だけが先に伸びている
② 配当性向の水準 まだ余力がある(目安50%台まで) 60%を超えて、増配の余力が細ってきた
③ 直近の利益の向き 増益、または横ばい 減益に転じた

3つとも○なら、買い増しを前向きに考えます。1つでも×があれば、「いま持っている分はそのまま、買い足しはしない」に留めます。上組は②と③が×だったので、見送りました。

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「売る」でも「買う」でもない、という選択肢

投資の話は、どうしても「買った」「売った」で語られがちです。でも実際に一番多いのは、「持っているけど、今日は何もしない」という時間です。

この“動かない”時間をどう過ごすか——あわてて買い増さない、でも不安で売らない、ただ決算のたびに中身を確かめる。たぶん、そこが長期投資の本体なんだと思います。

「持つ」の先には、もうひとつの答えがあります。確かめた結果、持たないと決めることです。実際にそう決めた例が、ニデック(6594)を手放した理由|数字が信じられなくなった、1か月半の話です。この記事で挙げた3つの確認項目に進む前に、今回は「数字そのものを信じられるか」という段階で答えが出ました。

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📌 まとめ

  • 「持ち続ける価値」と「いま買い増す価値」は別モノ。持っている株には含み益や利回りという“貯金”があるが、新しいお金にはない
  • 増配が続いていても、増配ペースが利益の伸びを超え、配当性向が高く、直近が減益なら、買い増しは見送る
  • 増配は“結果”であって“約束”ではない。会社が無理して払っているだけかもしれない(ジャックスの教訓)
  • 投資で一番多いのは「持っているけど何もしない」時間。その過ごし方が長期投資の本体

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【免責事項】
本記事は情報提供・個人の記録を目的としており、特定の銘柄・商品の購入・売却を推奨・勧誘するものではありません。掲載している数値は記事作成時点のものであり、将来にわたって同じ水準が続くことを保証するものではありません。投資にはリスクが伴います。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いいたします。