📋 この記事でわかること
- NTT(9432)が通信で具体的にどう稼いでいるのか
- 「新NISAで大人気」の裏で、成長が踊り場に入っている話
- 強み・弱点、景気への強さ、連続増配の安心感と物足りなさ
- 私がなぜ少額で持っていて、いまどう見ているか(実取引記録)
「日本株の銘柄図鑑」シリーズです。数字を並べるだけでなく、「この会社は何をして稼いでいるのか」を中心に理解していく記事です。
証券コード9432、東証プライム、情報・通信業。1株150円台で買えて配当も安定――新NISAを始めた人がいちばん最初に名前を挙げる株のひとつです。私も少額で持っています。ただ、「人気」と「良い株」は必ずしも同じではない、という話をします。
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なぜ少額で持っているのか
NTTは特定口座で1,000株、単価154円で持っています。評価額は16万円ほど、含み益はごくわずか。「1株から気軽に買えて、配当が減りにくい」という守りの一枠として、少額で入れています。
2023年7月に1株を25株へ分割したことで、それまで数千円だった1株が数百円になり、いまは150円台。新NISAの少額投資と相性がよく、株主の数は約299万人(2026年3月末)にのぼります。日本でトップクラスの”みんなが持っている株”です。
取得単価154円に対する配当利回り(YOC)は、2026年3月期の実績配当5.3円で約3.4%です。
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私はいま、この会社をこう見ている
事業そのものは、日本の通信インフラを丸ごと持っている会社なので、簡単に揺らぐものではありません。固定電話・光回線・携帯(ドコモ)――生活の土台です。政府(財務大臣)が約36%(35.8%・2026年3月末)を保有していることも、安定性の裏づけになっています。
ただ、成長は明らかに踊り場です。
会社は「EBITDA(利払い・税・償却前利益)4兆円」の達成目標を、2027年度から2030年度へ後ろ倒ししました。純利益は2024年3月期の1兆2,795億円がピークで、その後は1兆円前後で横ばい。主力のドコモが通信品質の強化に費用を割いていて、営業利益は横ばい圏です。
増配は続いていますが、1株配当は年に0.1円ずつ。今後も利益とキャッシュフローが配当を支えられるかを確認したいです。
だから私にとっては、「資産を大きく育てる株」ではなく「守りの土台に少額を置いておく株」という位置づけです。
NTTは日本を代表する通信インフラ企業であり、安定した収益基盤と積極的な株主還元には魅力を感じている。一方、2023年に実施した大幅な株式分割は、個人投資家の裾野を広げた反面、その後の株価形成にも少なからず影響しているのではないかと感じている。また、もともと公共性の高い企業だけに、経営の自由度や収益性の追求に制約を受けやすい側面もあるだろう。安定性という強みが、成長性という点では足かせにもなり得る。長期保有には適した企業と考えているが、増配の持続性だけでなく、今後どれだけ収益力を高められるかを冷静に見極めたい。
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一言で言うと、どんな会社?
日本の通信インフラ――固定電話、光回線、携帯電話(ドコモ)――を丸ごと束ねる持株会社です。企業向けのIT(NTTデータ)や海外事業も手がけます。
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何を売っていて、誰がお客さんなのか
四季報の事業区分では――
- 総合ICT(約43%):NTTドコモの携帯電話・通信サービス。個人が毎月の通信料を払う
- グローバル・ソリューション(約33%):NTTデータグループによる企業・官公庁向けのシステム開発(SI)、海外事業
- 地域通信(約18%):NTT東日本・西日本の固定電話と光回線。個人・法人の回線契約
お客さんは、日本のほぼすべての個人・企業・官公庁です。携帯・光回線という「毎月お金を払い続けるサービス」が収益の中心です。
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どうやって利益を生み出しているのか
携帯・光回線の月額料金という、サブスクリプション型の安定収益が土台です。契約者は簡単には乗り換えないので、収益は非常に読みやすい。一方で、基地局・光ファイバー・5G設備への設備投資は年2.3兆円規模で、これを続ける必要があります。
2026年3月期は売上高14兆4,091億円、営業利益1兆7,062億円、純利益1兆370億円。売上は伸びていますが、利益は横ばい圏です。
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強みとして見ているところ
ひとつめはインフラの独占性。全国に張り巡らせた光ファイバー網と基地局は、新規参入では作れません。固定電話はほぼ独占、光回線も高シェアです。
ふたつめは圧倒的な株主基盤と株主還元。約299万人の株主を抱え、連続増配と自社株買い(2027年3月末までに2,000億円・14億株上限)を続けています。1株150円台で買えるので、少額の積み立てとも相性がいい。
みっつめはNTTデータを軸にした法人IT。国内のシステム開発が伸びていて、通信以外の成長ドライバーとして期待されています。会社は「国内外の法人向けIT事業拡大で巻き返す」としています。
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弱点・リスクをどう受け止めているか
いちばんは成長の乏しさです。前述のとおりEBITDA目標は延期、利益は横ばい。増配ペースも年0.1円で、これはインフレ率に負ける可能性がある水準です。「増配で取得利回りが育っていく」という高配当株の醍醐味は、この銘柄では弱い。
次に巨額の有利子負債。約15.7兆円あり、自己資本比率は20.8%。金利が上がると支払利息が利益を圧迫します。四季報も「支払利息膨らむ」と書いています。

KEN独自企業評価|NTT
簡易定量版 v1.0。市場指標の基準日:2026/9/14。データ確認日:2026-09-15。直近通期実績・今期予想・財務比率は参照元の掲載値を使用しています。
| 評価軸 | 点数 | 計算に用いた数値 |
|---|---|---|
| 収益力 | 4/5 | ROE 10.66%(参照元の直近通期実績) |
| 成長力(今期) | 2/5 | EPS実績 12.61円 → 今期予想 12.04円/増減率 -4.52% |
| 財務健全性 | 2/5 | 株主資本比率 20.77%(参照元の掲載値) |
| 株主還元(配当) | 4/5 | 予想年間配当 5.40円/利回り 3.03%/配当性向 44.85% |
| 割安度(PER) | 4/5 | 予想PER 14.79倍 |
出典:IRBANK NTTの株式情報。採点基準・計算式・未評価の扱い。成長力は今期予想EPSの増減で、長期CAGRではありません。株主還元は配当の簡易評価です。総合的な企業価値・安全性や売買を推奨する評価ではありません。
元記事の執筆時点のデータとは時点・定義が異なる場合があります。
通信インフラの維持には大きな設備投資が必要です。自己資本の厚みだけでなく、営業キャッシュフローと負債の返済負担も合わせて見ます。
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景気に強いか、弱いか
はっきりディフェンシブです。不況になっても携帯や光回線を解約する人は多くありません。ただ、その裏返しとして好況でも大きく伸びない。「守りは堅いが、攻めは期待しにくい」タイプの銘柄です。
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配当は安心して持てそうか
予想配当利回りは四季報基準で3.58%、配当性向は約43%、DOEは4.4%。連続増配で、減配リスクはかなり低いと見ています。ここは安心材料です。
ただし、「減らないが、大きく増えもしない」配当だという点は理解しておくべきです。年0.1円の増配ペースだと、10年持っても配当は1円しか増えません。「配当を守りながら、株数を少しずつ積み増していく」使い方が向いています。
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10年、20年と持つ意味がある会社か
通信インフラという事業は、10年後も20年後も無くなりません。その意味で長期保有に向いています。ただ、「配当が2倍になる」「株価が大きく化ける」といった期待はしにくい。少額をコツコツ積み上げ、ポートフォリオの重り(守り)として置いておく――そういう持ち方の銘柄です。
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自分なら持ち続けられるか
1,000株で年間の配当は5,300円ほど。金額としては小さいですが、値動きが穏やかで減配しにくいので、ポートフォリオの「守りの重り」として持ち続けます。1株から買えるので、余った資金で少しずつ株数を足していくのには向いている。ただ、ここに大きな資金を集中させるつもりはありません。成長を求める枠は、別の銘柄で取ります。
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参考データ(四季報 2026年6月17日号/連26.3実績・27.3予)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 予想配当利回り(四季報基準) | 3.58% |
| 1株配当(26.3実績 → 27.3予) | 5.3円 → 5.4円 |
| 1株益 EPS(26.3実績) | 12.6円 |
| 配当性向 | 約43%(連続増配) |
| ROE(26.3実績 / 27.3予) | 10.4% / 10.1% |
| DOE(自己資本配当率) | 4.4% |
| BPS(1株純資産) | 119.5円 |
| 自己資本比率 / 有利子負債 | 20.8% / 約15.7兆円 |
| 時価総額 | 約13.6兆円(通信サービス103社中2位) |
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📌 まとめ
- NTT(9432)は固定電話・光回線・携帯(ドコモ)・法人IT(NTTデータ)を束ねる、日本の通信インフラの持株会社
- もうけは携帯・光回線の月額料金というサブスク収益。ただし利益は2024年3月期がピークで横ばい、EBITDA目標は延期
- 強みはインフラ独占・株主基盤・連続増配。弱点は成長の乏しさ・年0.1円の緩い増配・15.7兆円の有利子負債
- 私は1,000株@154円を「守りの重り」として少額保有。株数はコツコツ足すが、成長枠は別銘柄で取る
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参考にした一次情報
– NTT 投資家情報(IR)
– 東洋経済「会社四季報」2026年6月17日号(9432 NTT)
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本記事は情報提供・個人の記録を目的としており、特定の銘柄・商品の購入を推奨・勧誘するものではありません。掲載している数値は記事作成時点のものであり、将来にわたって同じ水準が続くことを保証するものではありません。投資にはリスクが伴います。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

